FISC 金融情報システムセンター

FISCのご紹介

理事長ご挨拶

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 令和7年6月20日付で、公益財団法人金融情報システムセンター(FISC)理事長に就任いたしました。会員企業の皆様、関係者の皆様におかれましては、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 金融情報システムは、金融機関の事業を支える基盤であると同時に、経済社会の運営、さらには国民生活の安定と発展に不可欠な重要インフラです。デジタル技術の進化が加速するもとで変化し続ける金融情報システムを活用することで、金融機関の業務および組織運営、さらには金融ビジネスそのものが変革しています。加えて、変革する金融機関および金融ビジネスが、デジタル技術および金融情報システムの進化と変化を促すという、相乗的な動きにつながっています。

 このような進化と変革がみられる一方で、金融情報システムが直面する脅威とリスクも変化し、また一段と高まっております。中でも、サイバーセキュリティ対応は、サイバー攻撃の対象や目的の多様化と拡大、手段および手法の巧妙化と高度化が続くもとで、今や国家レベル、経済安全保障の文脈でも語られる重要な課題となっています。金融機関は、経営層の関与さらには主導のもと、「攻撃されないための対策」に加え、「攻撃されることを前提とした対策」に組織全体として取り組み、サイバーセキュリティ態勢の底上げを進めることが必要です。

 金融機関にとって、業務や組織運営を一層効率化していくことと、利用者に対して、その多様なニーズに呼応する、より魅力的な金融商品・サービスを提供することは、普遍的に重要な経営課題です。ITの利活用の時代においては、それらの経営課題に対して、経営戦略とIT戦略とを一体化したITガバナンスを整備し、そのもとで適切にIT投資を行い、新しい技術を取り込みつつ安全性と安定性の高い金融情報システムを構築していくことが求められます。そのうえで、適切なシステムリスク管理と強固なセキュリティ対策、厳正なシステム監査、さらには計画的な人材確保および育成の実施が必要です。

 このような環境あるいは課題に係る認識のもとで、当センターは、金融情報システムに関連する、幅広い事業を展開しています。今後も、会員の業務及び組織運営、さらには、わが国金融情報システム全体の安定と発展に貢献するという姿勢を堅持し、そのもとで、サイバーセキュリティに関する取り組み、新しい技術や金融サービスなどをテーマとする、時宜に適った調査研究、ガイドライン等のブラッシュアップ、そして、セミナー等を通じた情報発信を、役職員が一丸となって、一段と充実させてまいります。

 会員企業の皆様、関係者の皆様におかれましては、変わらずご指導、ご鞭撻を賜りますよう、お願い申し上げます。

令和7年6月
公益財団法人 金融情報システムセンター
理事長  住澤 整